実相院(じっそういん)

天台宗の寺門派の単立寺院、幕末には岩倉具視がこの地に隠棲したことも

正式名称

高台寿聖禅寺

別称

実相院門跡、岩倉門跡、岩倉御殿、岩倉実相院

宗派

単立(元天台宗寺門派)

山号

岩倉山

本尊

不動明王

開基

静基

札所等

近畿三十六不動尊16番

文化財等

【重要文化財】 後陽成天皇宸翰仮名文字遣
【その他主な文化財】 京狩野4代目の狩野永敬による障壁画、岸駒による石灯篭「寒山拾得の図」、実相院日記

拝観

【拝観時間】 9:00~17:00
【拝観料金】 大人500円、小中学生250円

写真撮影日

2003/11/27

歴史等

実相院は、天台宗の門跡寺院として、寛喜元年(1229)、静基(じょうき)僧正により創建された。
創建当時は、京都市北区紫野にあったが、応仁の乱の戦火を避けるために岩倉に移り、現在では天台宗の寺門派から独立し、 どこの宗派にも属さない単立寺院となっている。
室町時代末期までに多くの伽藍等が戦火で焼失したが、江戸時代初期に足利義昭の孫・義尊が入寺し、 母古市胤子が後陽成天皇の後宮となった関係で皇室と将軍家光より援助を受けて実相院を再建した。
門跡寺院として、皇室や摂関家から大きな支援を受けているが、享保6年(1721)、京都御所から大宮御所「承秋門院 (じょうしゅうもんいん)の旧宮殿」の一部が下賜された。それらが、正面の門「四脚門」、玄関横の「御車寄」、中の建物「客殿」である。
尚、幕末には岩倉具視も一時ここに住んでおり、当時の密談の記録などが残されている。
実相院ホームページ他参照』

現況・感想等

岩倉といえば、幕末には岩倉具視が隠棲した京都北山のさらに奥にある辺鄙な田舎「岩倉村」というイメージがあるが、 今では新興住宅地として発展している。
そんな岩倉にある実相院は、池泉回遊式庭園と枯山水石庭の2つの庭が有名であると共に、隠れた(今では有名なようだが)紅葉の名所である。
池泉回遊式庭園は、奥の書院と客殿との間にある庭で、桃山時代の作庭をふんだんに取り入れ、裏山を借景とした庭園である。 また書院奥の庭池には、日本では数少なくなったモリアオガエルが生息している。
もう1つの「蹴鞠の庭」と言われる枯山水庭園も、背後の山々の景色と非常に調和のとれた石庭で、特に、紅葉の季節には白い庭、真っ赤な紅葉、 背後の山々の相俟った美しさが魅了する。
さらに、実相院には、もう一つの見どころがある。それが、四季を感じられる庭で、四季折々の風景を楽しむもので、 2つの庭を繋ぐ通路前に植えられたモミジが、部屋の黒光りした床板に映り、夏にはエメラルドグリーンの葉が映る「床緑」を、 秋には真っ赤な葉が映る「床紅葉」をみることができる。これは実相院でしか見ることができない素晴らしい光景であろう。
ただ、この「床緑」と「床紅葉」であるが、私が最後に訪れた2003年には撮影できたが、残念ながら、今では撮影禁止となっているようだ。 恐らく、混み合うようになって、撮影のために立ち止まるのを禁止するためのものであろう。

ギャラリー

池泉回遊式庭園
奥の書院と客殿との間にある庭園で、自然石でできた大きな石橋や茶室など、 桃山時代の作庭をふんだんに取り入れた庭園で、錦の紅葉が見事だ!
 

枯山水庭園
『蹴鞠の庭』とも言われ、かっては貴族が訪れた時に蹴鞠が興じられたという。現在は枯山水庭園となっており、 玉砂利、石、苔、モミジのバランスが美しく、背後の山々と調和がとれた石庭である。

四季を感じられる庭
池泉回遊式庭園と枯山水庭園の2つをむすぶ通路の前に、もう一つの見どころである『四季を感じられる庭園』 がある。小さな石仏の上を見事な紅葉が傘をさすように覆っている。

『床紅葉(床もみじ)』
「四季を感じられる庭」のモミジが、ピカピカに磨き上げられ黒光りした部屋(滝ノ間)の床板に映り、 夏にはエメラルドグリーンの葉が映る「床緑」を、秋には真っ赤な葉が映る「床紅葉」をみることができる。その様子は「床みどり」「床もみじ」 と呼ばれている。ただ、この「床みどり」と「床もみじ」であるが、私が最後に訪れた2003年には撮影できたが、残念ながら、 今では撮影禁止となっているようだ。

岩倉具視幽棲旧宅と紅葉
実相院山門を出て、少し戻り、岩倉病院の建物の間の道を少し南に行くと、 病院の直ぐ裏の木立の中にひっそりと岩倉具視幽棲旧宅がある。往時は、人家もまばらな辺鄙な地で、 日が沈むとあたり一面真っ暗だったであろう。そんな中、この家には、夜になると大久保利通、中岡慎太郎、 坂本龍馬などの明治維新の志士が訪れ、王政復古の密議が行なわれ、維新が達成されたのである。この旧宅跡の紅葉も見事である。

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